二度目の恋
『……なるべく、奥さんや娘さんと会う機会を増やしてあげてください。離れてるけど、家族なんです、娘さんにとってはずっと、父親なんです……娘さんの気持ちをたいせつにしてあげてください』
自分と遥輝を重ねてしまった部分があり
私は知らずに涙を流していた
部長は驚きながらも
私の涙を拭ってくれた
「田宮が泣いて、どうするんだっ」
ニカッと笑ってくれた顔は
さっきみたいな寂しそうな顔は無かった
「10年……お疲れさま。田宮がいたから、俺は部長になれた」
『いえ、それは違いますよ?部長の頑張りです。私はやるべきことをやっただけですから』
サンキューっと、私の頭を撫ぜた
私は子供かっ?と
一瞬思ったけど
10年のことを考えたら
その言葉を口にするのをやめた