二度目の恋




何度力んだか……
何度悲鳴をあげたか
何度……もう無理だと思ったか。


一輝の顔なんて見てらんない
自分の姿がどう、とか関係ない



「柳原さん、少しお腹押しますね」


勝手にやってくれ
いいから、早く出てくれっ……



妊娠中は20年前も、あーだった
こーだった……なんて楽しんでいたけど
20年前も、この激痛に耐えたのだ

それをすっかり忘れていた



『んーーっ。もう無理っ!!』


「柳原さん、もう少しですよ!次で頭でます。頑張りましょう」


頑張れないっつーのっ!



行きますよー、なんて声がする
最後だと思い、力む




「出ました」


その声がしたと思ったら
ヌルっと出る感覚があった



あー、やっと終わった……
遥輝のときも、このヌルがあって終わった



「よく頑張りました、おめでとうございます。いま、赤ちゃん綺麗にしてますね」



……に、しても何も聞こえない
遥輝の時は、泣き声が聞こえた
けど……不安が募る
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