二度目の恋



「…ごめん、……けど。俺は、」



そう言いかけた時



「美奈ちゃん?」


その声にハッとする
今日は遥輝が19時上がりだから
一緒に買い物して帰ろうって約束してた


遥輝は私と一輝を見て
いつもニコニコして優しそうな顔を
キッと、見たことない顔つきになった


「……俺の美奈になんか用?」


それは聞いたことない低い声
そして、いつもどんな時でも私のことを「美奈ちゃん」って呼ぶのに
今は呼び捨てだ



遥輝は社長の腕を掴んだ


『遥輝、ダメよ?社長なの』


そう伝えても、遥輝は引かない



「……美奈の男か?」


社長の言葉に遥輝はフッと笑い
女に見えんの?と言い
社長の腕を私から離した


グイッと遥輝に引き寄せられて
遥輝は帰ろう、と言って歩き出した


どんな形であれ
一輝と遥輝を合わせたくなかった


あの嫌な雰囲気の中
私は二人を何度も見てしまい
気がついてしまった



やっぱり親子なんだと……。
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