二度目の恋



男の言葉が全くわからない



『……念書って、』


そう聞けば弁護士は答えてくれた


必ず中絶させること
二度と一輝に会わないこと
このことは他言無用


『……知らない……そんなこと。』


弁護士は笑いながら私を見ている


「まあ、今となっては、どうでもいい話ですよ。あの時、一輝様を守るのが俺の役目でしたから……それでは」


そう言って、男は秘書室から出ようとした


「……あー、今妊娠したら、すぐ結婚できるんじゃないかな?」


そう言って、男は行ってしまった



腹がたつ
本当にムカついた
怒りと同時に悲しさや虚しさもあった


知らなかった、
両親にも同様な気持ちだ


私が出て行ったのに
金をもらい念書まで書いた


私より……お金だったのか



もう一度、深呼吸をして
社長室のドアをノックした
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