溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜
「……彼女?」
と笑顔のまま訊いてきた。

「ちっ、違いますっ」

「ああ、そうなんだ。
 ところで、なんにする?」

 あっさり流されたな。

 最初から、彼女だとは思っていなかったようだ。

 お愛想で言ってみただけかな、と思い、モスコミュールを注文する。

「昌磨さんが、昼間呑めなかった分、呑んだらいいと言ってたよ」
と笑って行ってしまう。

 自分で言いに来い〜っ、と此処に座らせておいて、自分は、カウンターでマスターらしき人と話している昌磨を睨む。

 こんな来たことないとこ、緊張するよう。

 いつもと違う課長が見れて嬉しいけど、落ち着かないな。

 そう思いながら、メニューをめくる。

 ……美味しそうだ。

 いいな、このサンドイッチ。

 どうやって食べたらいいのかわからないくらい、ざっくり中身が突っ込んであるところがまた。

 待て待て。
 エスプレッソジェラートがあるぞ。

 メニューを凝視していると、モスコを持ってきた店員さんが頭の上で笑う。
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