溺愛御曹司の罠 〜これがハニートラップというやつですか?〜
「昌磨さん、昌磨さん、あの人何者?」
バイトの宮田良(みやた りょう)がカウンターにやってきて言った。
見ると、花音が他の客に、身振り手振りでサンドイッチの具の説明をしている。
どうやら、外国人の老夫婦のようだ。
「なんだか、めちゃ打ち解けてるんだけど、あそこ」
と良がその三人を指差す。
ちゃんと喋れているのか?
それとも、日本語が通じてるのか?
なんだかわからないが、楽しそうだ。
老夫婦もよく笑っている。
「ねえ、あの人、昌磨さんの彼女?」
「いや、部下だ」
と言うと、こちらの事情を知る良が、えっ、いいの、と訊いてくる。
「此処、会社には内緒でしょ?」
「まさか、この店の近くの支社になるとは思ってなかったからな」
これからもこういうことがあるかもれしない。
会社の人間が訪ねてくるかもしれないし、と思っていると、
「お父様の陰謀じゃない?」
と良は笑う。
他人事かと思って、と思った。