溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜
「仮面でもつけて弾いたらいいよ。
 仮面の貴公子とかって、ポスター作ってあげるから」

「良」

 はいはい、とあくまでお軽い良は軽く返事をし、
「姫にお代わりいらないか訊いてこよ。
 あの人、結構ピッチ速いね。

 そんな風に見えないけど、お酒強い?」
と言ってくる。

「姫って誰だ?」

 良は花音を親指で示す。

「姫って感じでしょ。
 なんか、らぶりー。

 なんにも出来なさそうなお嬢様って感じ」

 いや、走り屋だが……と思った。

 良は、そこで小首を傾げ、
「でも、酒豪っぽいよね、なんとなく」
と言う。

「……そんな予感がするな」

 あの言動からなんとなく。

 すべてにおいて、豪快そうだ。
 可憐そうな見かけに反して。

 よく客を見ている良の勘も当たりそうだし。

「昌磨くん、そろそろ」
とマスターに言われ、はい、と返事をする。

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