溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜



 よしよしくんってなんだ、と昌磨は思った。

 良におかしなあだ名をつけて、すっかり馴染んでやがる。

 カウンターにお盆を置いた良が振り向いて言う。

「なに、結局、昌磨さんが送ってくの?
 花音さん、やっぱり、彼女?」

「部下だと言っただろう」

 ふーん、と言う良に、
「お前、彼女居るだろ」
と釘を刺すように言うと、

「ああ、ちょうど今、別れようと思ってたところだから」
と笑顔で言う。

 ちょうど電車が来たから、乗り換えます、くらいの勢いで、軽く良は言う。

「……そうか」

 こんな風に身軽に恋愛できる人間も居るんだな、と思いながらも、お前、いつか刺されるぞ、と思っていた。




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