早く俺を、好きになれ。
「どこで何してたんだよ?」
息を切らして教室に戻った私を出迎えたのは、呆れ顔の虎ちゃんだった。
どうやらもう解散した後のようで、教室にはほとんどクラスメイトは残っていない。
明日は文化祭2日目。
だから、教室の中にはまだたくさんのダンボールがそのままになっている。
「ごめん……ボーッとしてたら、いつの間にかこんな時間になってた」
「相変わらずバカだな」
「…………」
クシャッと顔を綻ばせて笑う虎ちゃんの顔はなんだか寂しげで、いつものように言い返せない。
そんな私の胸中を察したのか、虎ちゃんは軽く目を伏せた。
重苦しい沈黙が流れる。
なにか、なにか言わなきゃ。
「ほら……帰ろうぜ」
沈黙を破ったのは虎ちゃんだった。
虎ちゃんは私の顔も見ずにカバンを担いで、教室を出て行こうとする。
「待って」
私はそんな虎ちゃんをとっさに引き止めた。
「……話があるの」
「…………」