太陽を追いかけて


その間に、私はいつも通り学校へ行く準備を進める。


朝ご飯は、いつもパン。


行儀が悪いって分かってるけど、家を出るまでに時間がないから、私はパンを口に含んだまま制服に着替えたり、お母さんの作ってくれたお弁当をスクールバックの中に入れたりしていく。


……あ、水筒も入れなきゃ。


水筒をスクールバックの中に入れるのを忘れているのに気付いた私は、急いで水筒もバックの中にしまう。


パンを食べ終わったあとは歯磨きもして、髪の毛をとかして。


洗面所の鏡を見ながら身だしなみを完璧に整えていく。


これが、私の毎日の日課。


全てを終えてリビングに戻ると、お母さんは洗濯物をすでに干し終えていて、机の前にあるイスに座ったまま私に話しかけてきた。


「愛莉、柚月ちゃんとは今も仲良くしてるの?」

「うん、柚月とはすごく仲良くしてる。いっつも一緒にいるもん」

「同じクラスになったって言ってたかしら?柚月ちゃん、また家に連れてきなさいね」

「分かった。柚月にもまた言っとくね」


私が笑顔で頷くと、お母さんもすごく嬉しそうに笑った。


……お母さん、柚月のこと大好きだからな。


またお母さんの仕事が休みのときにでも、柚月を家に連れてきてあげよう。


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