グリッタリング・グリーン
葉さん、お元気ですか。
こちらは変わりなく、毎日、勉強不足に恥じ入りながら仕事しています。
年度が変わり、私は社会人二年目になりました。
新入社員が入りましたが、全員が他の部署に配属されたので、私は相変わらず下っ端です。
でもよかったです。
もしかして新人さんが入ってきたら、葉さんとの原稿の受け渡しを、その人に譲らなければならないかもしれなかったので。
葉さんが滞在するとお聞きして、ジュネーブの気候を調べてみました。
東京よりだいぶ寒いんですね!
葉さんはいつも薄着の気がするので、心配です。
そちらでの生活はいかがですか。
イベントの準備は順調ですか。
そうだ、表紙を描かせてもらった冊子の、見本誌が今日届きました。
感動していたら、実家に送ってあげなさいと加塚部長が数冊、持ち帰らせてくれました。
ぜひ葉さんにもお見せして、講評をいただきたいです。
お送りするほどのものでもないので、戻られたらで。
葉さんは、ご自分の一番最初の作品を、覚えていますか?
やっぱり感動しましたか?
なんだかとりとめがなくなってしまいました。
このへんで筆を置きます。
こんな手紙は、もちろん書きませんよ。
恥ずかしいので。
お身体に気をつけて、葉さん。
早く会って、いつもの不機嫌な顔を見たいです。