夢見姫と7人の王子
革のリクライニングチェア
彼は気位が高い。
貴族のような佇まいで、スッとそこにいる。
滅多に会うことのできない存在だけど、私は会うたびドキドキして胸が高鳴る。
私はどうにか近づこうと画策するけれど、彼はこちらをチラとも見ずに、ご主人様の帰りを待っている。
私は時折ご主人様と彼が一緒にいるのを盗み見る。
彼はうやうやしくご主人様に傅いて、ご主人様のお世話をしている。
けれど、私は彼の纏う雰囲気がその時ばかりは柔らかくなるのを知っている。
きっとご主人様が大好きなんだろう。
それを思うと胸がズキリと痛むけれど、そんな姿も素敵だと思っているのだから仕方ない。
ああ麗しの。
私の憧れの王子様。