仮氏
今までどんな人と付き合ったのか、どんなデートをしていたのか。
ちらっとそういう話はしたことがあるけど、私も彼もこんな感じで話に出たら答えるくらいしかしたことがない。
知ったところでどうにかなるわけじゃないけど、それこそどうでもいい人じゃないから、知りたい。
でもきっとそう思っているのは私だけ。
そんなことを考えたら胸がちょっとだけ苦しい。
繋がれた手を見た後、少し前を歩く彼の顔を見た。

「莉音はさ、元カレと休みは何してたの?」

「休みはいつも試合だったり練習だったりだったから、応援行ったりしてたかな」

「試合?」

「うん。元カレフットサルの地域リーグに所属してたから、シーズン中は土日のどっちかは絶対に試合だったし、そうじゃなくても練習試合だったりでいつも一緒に過ごしてたわけじゃないよ。むしろ別々の方が当たり前みたいな」

「へー!すごい人だったんだね!俺の週末サッカーとは別物だわ!」

「そんなことないよ」

「俺のは完全に遊びだから!…じゃあ出かけるの久々?」

「デートらしいデートなんて最初だけで、試合も練習試合もないときは都内のスポーツショップに行ったりとかばっかりだった!だから、ちょー久々だよ!」

「え、まじか。…でも好きだったんだよね?結婚までいったくらいなんだから」

「もちろん!…その時はね!今はもう思い出。…いい思い出だね」
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