仮氏
もう誰かを好きになることはないだろうって思っていたけど、元カレに対しての未練なんて全くなくて、元カレと過ごした時間はいい思い出に本当になっていた。

「そうやって言えるってことは、もう未練とかはないってことかな?」

彼が言った。

「…どうかな?」

とわざと私は言った。

「てゆかさ!俺の服選んでよ!」

「えぇ!無理!好きなブランドとかあるんじゃないの?」

「莉音と知り合ったばっかりの頃も言ったけどさ、俺服とか着られればいいって感じでなんのこだわりもないわけ」

「そういえば言ってたね…じゃあ今までどうしてたのよ?」

「テキトーに買ったり、彼女が選んだの買ったり、彼女が買ってきたの着たり」

「あ、そうだったの…」

「だから、莉音が選んでよ」

「だから私が選ぶことになるのは意味わからないけど、一緒に見ることぐらいはしてあげる」

「なんだよそれー!」

私は勘違いしそうになる自分を必死に軌道修正していた。
別になんの意味もなくて、彼は今日の流れでそう言っているだけ。
でも話の前後を考えると変な期待をしそうになる。
それとも今日はそんなめんどくさいことなんて忘れて、思いっきり彼女気分を味わった方がいいのだろうか。
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