仮氏
「どっか行く?ここじゃアレだし」

「どっかってどこよ」

「2人になれるとこ!」

「はぁ?」

「莉音っていちいち反応おもしれー!カップルシートあるカフェあるから行こー」

「あ、カフェね」

「なに?不満?」

「全然!」

「俺はホテルでもいいけど」

「絶対行かない!!」

笑いながらいつものように指を絡める彼。
会えない間、私は何をしてるか気になってたのに彼はそんな期間がなかったかのような変わらない雰囲気。


お店に着いて、彼は飲み物とちょっとした料理を手際よく注文した。
私はまるで置き物みたいだ。
一通り頼んだものが届くと、

「ん」

と彼は私に向かって両手を広げた。

「はぁ?なに?」

「個室だし誰も見てないよ?」

「だから何?」

「疲れてるんでしょ?癒してあげる」

私はそんな彼をじっと見る。

「あ、でもニンニク食ったからニンニク臭いかも」

いつもはほんのり香水の香りがする彼。
私と会うときは少しだけおしゃれしてきてくれたのかな?
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