仮氏
もういいや。どうにでもなれ。

「隼くん、私が望むなら添い寝でも何でもするって言ったよね?」

「言ったよ」

「じゃあ、してよ。添い寝」

私は言った。
もう今日で終わりになるかもしれない。
でも、今は人の温もりが欲しい。
彼は少しだけ驚いたようだった。

「…わかった。俺、実家だからホテル行こうぜ」

彼はそう言って私の指に自分の指を絡めるとすたすたと歩き始めた。

何なのよ、この余裕のある態度。
それともヤレるかもしれない、ラッキーなんて思ってるのかもしれない。
…年下のくせに。


彼は駅前のホテルに入るとさっさとチェックインの手続きをした。
てっきりラブホにでも連れて行かれると思っていたから拍子抜けした。


「ラブホにでも連れてく気だろ、こいつって思ってたでしょ?

「うん」

「うわ、ハッキリ言うね」

「嘘とかつくの苦手なの」

「まーそういうとこも悪くない」

「は。何様?」

「もー!莉音があんなこと言うんだから、ラブホなんて行けないっしょ!レアだよ、レア」

「…うざい」

あっという間にエレベーターが止まった。
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