仮氏
遅くまで仕事をして、家に帰る。
疲れてるはずなのに気付けば彼のことばかり考えてる私がいる。


俺は自力で俺についてきてくれる女の子が好き。…莉音みたいなね


彼が言ってくれた言葉が心の中で、彼の声で何回も再生される。
嘘でもそういってくれたのが嬉しかった。
私だって、恋したくないわけじゃない。
だけど、もうあんな思いするのは嫌だ。
傷つくのが怖い。
…何考えてるんだろう、こんな歳にもなって。

ひとりだと余計なことまで考えてしまう。

「よし!」

私は着替えてplanetに向かう。
こういうときは、自分の好きなことをして心を満たすのが1番だ。

バーテンさんと時々話しながら自分の好きなお酒を愉しむ。
こんなこと、20代前半の頃はするなんて思ってなかった。
ほんの数年で人って変わるもんだ。


「あの…。」

グラスの中のカクテルをぼんやり眺めていると声をかけられる。
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