仮氏
「よくお一人で飲みに来られてますよね?」

「はぁ、まぁ」

「前から見かけてて気になってたんです。よかったらご一緒させて頂いてもよろしいですか?」

こんな私でもそうやって声をかけてくれるのは嬉しい。
さてどうしようか。
見た目は悪くない、少し堅苦しい感じもしなくはないけど一緒に飲むくらいなら別にいいのかもしれない。



「莉音!」



私を呼ぶのは聞き慣れた声だった。

「あ、待ち合わせしてたんですね。図々しくすいません」

声をかけてくれた人はそういって私のそばから離れて言った。

「何しに来たの?」

私の横に機嫌が悪そうに座る彼に私は言った。

「…別に」

「ふーん」

そう返すと構わず私は飲み続けた。

可愛くない私。
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