仮氏
気付けば何となく彼のことを思い出している私がいる。
仕事をしてても、お風呂に入っていても。

あの日以来、体の関係は持ってないけど彼は変わらず帰り際にキスをして別れる。
ヤッちゃえば終わると思っていたから、こうしてまだ会っていることが不思議と言えば不思議だ。
だけど、どんなつもりで彼が私に会ってくれているのかはわからない。
彼はいまいちつかみどころがなくて、何だかふわふわした雲のようだ。

………きっと、新しい風が吹いたら彼はそっちへ流れていってしまうんだろうな


そう思ったら、少しだけ胸がチクッとした。


どこかでこういう気持ちもうまく私の中で整理して折り合いをつけなきゃ、と思う私がいた。
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