仮氏
「じゃあね」

「また連絡する」

家の近くまで送ってくれた。

次はいつ会えるんだろう?

そんなことを聞いたら嫌われそうで聞けなかった。
小さくなっていく彼の後ろ姿をいつまでも見ていた。


さっきまで一緒にいたのに、会いたくなる。
やっぱり人間って欲張りだ。

彼はこれからどこに向かうんだろう。
真っ直ぐ家に帰るのか、それとも誰かの元へ急ぐのか。
少しだけ、胸が痛い。

妬けたなんて彼は言ってくれたけど、どこまでが本気かなんてわからない。
期待すれば、違った時にショックを受けるのは私自身だからあの言葉はリップサービスぐらいにしか受け取らないことにした。

私に向けてくれる笑顔も、キスの温かさもどこまでが本気なんだろう。
所詮セフレな私には、本気なんてないのかもしれない。
いまいち掴めない彼の心は私の決意を鈍らせた。
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