仮氏
「そういうとこも、嫌いじゃない」

「はいはい」

「ん、ほら」

「何よ」

「腕枕」

「いいって、腕痺れるよ?」

「うるせーな!いいから大人しくされとけ」

私は素直に腕枕をしてもらうことにした。

「……あのさぁ」

「ん」

「私付き合った人に腕枕してもらったことってほとんどないんだよね」

「まじ?」

「腕痛くないかな?痺れちゃうよなって思うとなんか悪くて」

「あー、うん。莉音ってなんかそういうタイプっぽい」

「一緒にくっついてるだけでも満足だし」

「でも、俺は今莉音のこと腕枕したいわけ。だから莉音は大人しく言うこと聞いてればいいの」

「うーん」

「あ、でも何時間もはさすがにできないよ?」

「わかってるって」

「ん」

そう言って彼は自然に口づけした。
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