仮氏
それを確認すると、彼は突然キスをした。

「ちょっと…!」

「誰もいないけど」

「そういうんじゃなくて!」

「したいから、した。悪い」

と彼は言った。
心臓がドキドキうるさかった。

彼が部屋を開けると、とびきり広いわけではなかったけど綺麗な夜景が広がる部屋だった。

「わぁ!何これすごい!!」

「俺もこんな部屋だって知らなかったからびっくりしたわ!」

「この街、何もないと思ってたけどこんなに夜景が綺麗だったんだね」

「だな」

そう言うと彼が私の腕を引っ張り抱きしめた。

「なになに?今日どうしたの?」

「別にどうもしないけど」

「またまたー」

「…なんか莉音いい匂いする」

「ボディクリームかな?」

ふーん、と声にもならないような声で彼は言うと、私の首筋に顔を埋めた。
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