七色の空
チャプター80
「無器用な兎」
〜つづき
「なな」がいなくなってから、まゆらの所有していた♂兎の「ひこぼし」は元気がない。まゆらの元気もない。福生は、誰がウサギを殺すような無意味な行動をとったのか?その理由と犯人を知りたかった。福生は死んだ「なな」を獣医のところへ連れてゆき、死因を調べることにする。原因は毒物だった。獣医の推測では、餌に毒物を混入したか、「なな」の体に注射器で直接毒物を投与した可能性があるとのことだった。「なな」の体には、針で刺したような穴がわずかに残っており、注射器針と特定はできないが通常ウサギの体に、そのような穴が自然にあくことは考えずらいということだ。
小屋の中で、ウサギ同士の争いなどによっと死んだ可能性は低く、特に病死と考えられるような患部も体内には見付からなかった。 世の中には奇怪な事は山ほどある。人間の起こす怪奇殺人にしても、それ自体に何かしらの意味があると考えるよりは、現象そのものとして捉えるほうが、総てはそれなりに着地しやすい。
福生は、怒りや憤りといったもので「なな」の事件に執着したわけではない。あまりにも簡単に他人の手で大事な宝物を打ち消されたという事実そのものが、福生の心を挑発したのだ。福生がキレたのは、今病院のベッドで横になることになった少し前の出来事が初めてだ。しかし、この時の福生はキレてはいないが、「なな」を殺した犯人を殺してしまえそうな程、心が静寂していた。冷たい森の奥深くに誰も見たことのない湖がある。その前に福生は一人立っている。もう少しすると、湖から誰かが現れて、福生にこう投げ掛ける、
「私がななを殺したの。あなたは私にどぉしろというの?」
「無器用な兎」
〜つづき
「なな」がいなくなってから、まゆらの所有していた♂兎の「ひこぼし」は元気がない。まゆらの元気もない。福生は、誰がウサギを殺すような無意味な行動をとったのか?その理由と犯人を知りたかった。福生は死んだ「なな」を獣医のところへ連れてゆき、死因を調べることにする。原因は毒物だった。獣医の推測では、餌に毒物を混入したか、「なな」の体に注射器で直接毒物を投与した可能性があるとのことだった。「なな」の体には、針で刺したような穴がわずかに残っており、注射器針と特定はできないが通常ウサギの体に、そのような穴が自然にあくことは考えずらいということだ。
小屋の中で、ウサギ同士の争いなどによっと死んだ可能性は低く、特に病死と考えられるような患部も体内には見付からなかった。 世の中には奇怪な事は山ほどある。人間の起こす怪奇殺人にしても、それ自体に何かしらの意味があると考えるよりは、現象そのものとして捉えるほうが、総てはそれなりに着地しやすい。
福生は、怒りや憤りといったもので「なな」の事件に執着したわけではない。あまりにも簡単に他人の手で大事な宝物を打ち消されたという事実そのものが、福生の心を挑発したのだ。福生がキレたのは、今病院のベッドで横になることになった少し前の出来事が初めてだ。しかし、この時の福生はキレてはいないが、「なな」を殺した犯人を殺してしまえそうな程、心が静寂していた。冷たい森の奥深くに誰も見たことのない湖がある。その前に福生は一人立っている。もう少しすると、湖から誰かが現れて、福生にこう投げ掛ける、
「私がななを殺したの。あなたは私にどぉしろというの?」