七色の空
チャプター57
「話そうとするけれど」
福生は夜行バスの中にいた。夜の高速道路を一定のリズムで走るこのバスはどこ行きのバスなのか?車内の福生は目を瞑り横になっているが、その姿は、そのまま息を引き取りそうな程、微弱に見える。耳にあてたヘッドホンで近頃のヒットチャートを聞いているようだが、恐らく、歌われている歌詞などは聞き取れていない。
少なくとも、福生はどこかを目指しているようだ。林檎達の心配をよそに、福生は何としても行かなくてはならない場所があるのだ。
開通した福生の携帯に林檎が電話をしたところで、福生にはつながらない。福生は編集室で意識を失った際に携帯を何処かへ無くしてしまっていた。福生の携帯は、スタジオの落し物回収棚で誰にも気付かれずに震えるだけだった。
林檎は福生のことが2割も分かっていない。林檎には福生を見付けることは残念ながら出来ないのだ。その日の夜、遂に病院から警察に捜索願いが出された。 林檎は福生を探しさまよう内、自分を見失いそうになってゆく。林檎のバランスが音をたてて崩れようとしている。
「話そうとするけれど」
福生は夜行バスの中にいた。夜の高速道路を一定のリズムで走るこのバスはどこ行きのバスなのか?車内の福生は目を瞑り横になっているが、その姿は、そのまま息を引き取りそうな程、微弱に見える。耳にあてたヘッドホンで近頃のヒットチャートを聞いているようだが、恐らく、歌われている歌詞などは聞き取れていない。
少なくとも、福生はどこかを目指しているようだ。林檎達の心配をよそに、福生は何としても行かなくてはならない場所があるのだ。
開通した福生の携帯に林檎が電話をしたところで、福生にはつながらない。福生は編集室で意識を失った際に携帯を何処かへ無くしてしまっていた。福生の携帯は、スタジオの落し物回収棚で誰にも気付かれずに震えるだけだった。
林檎は福生のことが2割も分かっていない。林檎には福生を見付けることは残念ながら出来ないのだ。その日の夜、遂に病院から警察に捜索願いが出された。 林檎は福生を探しさまよう内、自分を見失いそうになってゆく。林檎のバランスが音をたてて崩れようとしている。