七色の空
チャプター70
「ピンクベア〜」
林檎の携帯にぶら下がっている、人形のストラップはピンクベア〜。
林檎はゲーセンのUFOキャッチャーが得意で、それで捕った景品である。林檎の誕生日にゲーセンで同じモノを2つ、1つは福生の携帯につけてある。
福生は病院にいる間、中庭に出ないと携帯が使えず、入院中は殆んど林檎と携帯で連絡は取り合えない。最近では、ベッドから起き上がることも少なくなってきた。
静岡の病院から東京の病院へ移ることになり、林檎も一緒に静岡をあとにする。
林檎が静岡に戻ってから一週間が経過していた。
遂に福生脚本の映画が完成し、一般上映が来年春になることが決まった。一般上映まで福生は生きてはいない。しかし、ひと月後に催される小さな映画祭で、披露試写が行われる。その事実は、福生のお見舞いに監督や映画関係者が訪れた際、福生に直接告げられていたが、その映画祭まで福生がもつかは、主治医にも分からない状況であった。 はたして福生は、今のこの状況で、死ぬ前に自分の映画が映画祭で上映されるのを観ておきたいと願っているのだろうか?それは福生にしか分からない。
ただ、林檎は是が非でも、福生にソレを見せてやりたいと思っている。その志(こころざし)は、たとえ福生がソレを望んでいないとしても、林檎の中で確立している願望であり、決意だった。
福生はこれまで映画のラッシュをあらゆる段階で見てきている。福生の頭の中では、既に映画の完成型が出来上がっているのかも知れない。
林檎にしても、完成した映画を病室で福生が見れるように、プロジェクターとディスクの手配までしていた。
きっと、林檎自身が、映画祭で福生の映画が上映されるのを見たかったのだ。しかも、福生と一緒に。
もしくは、映画祭で上映されるその場に、福生がいることに、本当の意味があると、林檎が思い込んでいたのだろう。
林檎は群馬県の山奥で開催される映画祭に向け、二人分の乗車券を購入し、宿泊施設を予約する。
「ピンクベア〜」
林檎の携帯にぶら下がっている、人形のストラップはピンクベア〜。
林檎はゲーセンのUFOキャッチャーが得意で、それで捕った景品である。林檎の誕生日にゲーセンで同じモノを2つ、1つは福生の携帯につけてある。
福生は病院にいる間、中庭に出ないと携帯が使えず、入院中は殆んど林檎と携帯で連絡は取り合えない。最近では、ベッドから起き上がることも少なくなってきた。
静岡の病院から東京の病院へ移ることになり、林檎も一緒に静岡をあとにする。
林檎が静岡に戻ってから一週間が経過していた。
遂に福生脚本の映画が完成し、一般上映が来年春になることが決まった。一般上映まで福生は生きてはいない。しかし、ひと月後に催される小さな映画祭で、披露試写が行われる。その事実は、福生のお見舞いに監督や映画関係者が訪れた際、福生に直接告げられていたが、その映画祭まで福生がもつかは、主治医にも分からない状況であった。 はたして福生は、今のこの状況で、死ぬ前に自分の映画が映画祭で上映されるのを観ておきたいと願っているのだろうか?それは福生にしか分からない。
ただ、林檎は是が非でも、福生にソレを見せてやりたいと思っている。その志(こころざし)は、たとえ福生がソレを望んでいないとしても、林檎の中で確立している願望であり、決意だった。
福生はこれまで映画のラッシュをあらゆる段階で見てきている。福生の頭の中では、既に映画の完成型が出来上がっているのかも知れない。
林檎にしても、完成した映画を病室で福生が見れるように、プロジェクターとディスクの手配までしていた。
きっと、林檎自身が、映画祭で福生の映画が上映されるのを見たかったのだ。しかも、福生と一緒に。
もしくは、映画祭で上映されるその場に、福生がいることに、本当の意味があると、林檎が思い込んでいたのだろう。
林檎は群馬県の山奥で開催される映画祭に向け、二人分の乗車券を購入し、宿泊施設を予約する。