七色の空
「ヒバリのこころ」
〜つづき4

福生の意識が遠のいてゆく…
寝室では二人の性器をしゃぶらされている林檎が哭いている。男二人は友人が耳を引きちぎられたことなど既に忘れている。Bが林檎の口から性器取り出し、林檎の性器を舐めようとしたその時、天からゴルフクラブが降り降ろされる。次の瞬間、床にBが崩れ落ち、続けてCが崩れ落ちる。みるみる床が血液で浸ってゆく。
ゴルフクラブを持った新也が林檎の目の前に立っている。林檎の顔は涙と鼻水でぐしゃグシャだ。新也は林檎に服を投げ渡す。
新也「車まわしてある。彼を病院に、急ごう!病院に連れてった後、コレで俺のことも好きなだけ殴ればいいから」
新也は泣いている林檎に服を着せると、リビングの福生を抱きかかえて、林檎と共に部屋を飛び出す。
道路を規制速度オーバーで走る新也の車。新也のマンションから最寄りの大学病院までは車で20分程度だ。半分の時間で病院に着いた一行。福生は血だらけの福生を抱きかかえて病院内を走り抜ける!林檎も後に続く。林檎は福生の手を握り締めている。
たとえ死が二人を別とうとも、握り締めたこの手は放さない。
獣に身を変え、林檎を守った福生が、林檎の手を強く握り返した。
男は己のプライドと愛する女の為に命をかけなければならない時がある。今の福生は、どの道この先永くない。
正義を語るとき、そこにはいつも悪者が不可欠である。
その頃、悪者はトランクの中で気絶していた。バカな悪者は、今後方耳を失うという代償を背負って生きてゆく。
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