幼馴染みの期限

ーー困った表情のままで、まるで懺悔か何かのように向井くんが話すから、私までなんだか泣きだしたいような気持ちになってしまった。



「一昨日に渡瀬に告白した時に……今みたいに困ったような……泣き出しそうな顔をしたから、本当は今日の誕生日も一緒に過ごしたいんだけどって言いたかったのに……ちょっとだけ怯んじゃったんだ」


「……だけど諦め切れなかった」



「彼氏もいないって言ってたし、俺が友達としてでもいいからまた会って欲しいって言った時、渡瀬が拒まなかったから……また昔みたいに近づけるんじゃないかって期待もした」



「あの時と同じ気持ちに戻れるんじゃないかって思ったら欲が出た。だから今日も、気がついたらLINEを送ってたし、既読が付かなくてもここに向かう自分を止められなかったんだ」



再会してから今まで、私に対して見せてきた自信に満ち溢れた強引な態度は今日の彼からは全く感じられなかった。


向井くんは、まるで迷子になった子どもみたいに不安げな表情で私をじっと見つめている。


私があの時、向井くんの告白にちゃんと応えていれば……


ううん。気持ちには応えられなくてもきちんと向き合っていれば、ここまで彼が不安になる事もきっと無かった。

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