幼馴染みの期限
今日だって、幼馴染みの期限が来て、広海が側にいない事がショックで、異動の話だって全然知らなくて、またショックを受けて……


何度も聞くチャンスはあったのに、才加との関係だって確かめられないままで、宏美さんや樺山さんに優しくされても『ありがとう』って言葉一つ言えなくて……


それどころか、"本人にぶつけてこい"なんて、樺山さんには怒られながらも背中を押してもらって……こんな自分が情けなくて仕方ない。



……だけど。



ほぼほぼ頭が空っぽの状態で外に向かっていた私だったけど、たった一つの想いだけは心に決めて足を進めていた。



……どんな結果になってもいい。



今までの関係が変わっても、壊れてしまってもいい。



『好きな人には、ちゃんと好きだって伝えたい』



ただそれだけを想いながら、飛び出していたんだ。




***

私は、しっかりと顔を上げて、向井くんと向き合った。


「……向井くん、私ねーー」


もう、向井くんの気持ちからも逃げたくない。


好きな人に『好き』って気持ちを伝えたいんだから、好きだった(・・・・・)人にも、ちゃんと気持ちを伝えないといけないから。

< 271 / 345 >

この作品をシェア

pagetop