幼馴染みの期限
「ごめんね。私は、向井くんとは一緒に誕生日を過ごせない。……あなたの気持ちにも、応えられない」
「…………もう、『友達』としても会えない」
***
向井くんは私の言葉を聞いて、はぁ、とため息を一つ吐いてうつ向いた。
それから暫くして、今度は勢い良くグッと顔を上げて私の目をじっと見つめてきた。
再び、視線が絡まった。
再会してから、今までずっと向井くんとはこうしてちゃんと向き合って話をしてきたはずなのに、何故か彼と初めて目が合ったような不思議な感覚になった。
付き合う事を考えてくれと、まずは友達として会えないかと言われた時に、私は迷いながらも受け入れてしまった。
気持ちも受け入れたと思われても仕方ないくらい曖昧な態度を取ったくせに、何の前触れも無くいきなり受け入れられないと言って……向井くんが嫌な気持ちになっても、責められても仕方ないと覚悟していた。
だけど、彼の口から最初に出たのは『ごめん』という言葉だった。
「渡瀬。……ごめん。……ごめんな」