幼馴染みの期限
……でも、でも、
まだ誰かと約束をしてなかっただけ、私の誕生日に他の誰かと出掛けてなかっただけでも……良かったって思ったほうが……いいのかな……?
ーー ダメだ。なんだか弱気になってきた。
向井くんには、ちゃんと勇気を出して自分の言葉で思いを伝えることができたのに……
また、自信が無くて弱虫で情けない自分が少しずつ顔を出し始める。
広海に気持ちを伝えるんだ!と勢いこんでここまで来た心が、シュルシュルと音を立てて萎んでいくようだった。
その時、
「……ぅ」
ちょっとだけ眉を寄せながら、広海が身動いだ。
ベッドに両手をついて、毛布の中をのぞきこんだままの姿勢でピシッと身体が固まる。
そのまま、広海はゆっくりと目を開けた。
***
どうしよう。どうしよう。
心の準備ができてない。
まだ、私の心は弱虫で情けないままなのに。
頭上で焦る私の気配を感じたのか、広海はそのままゆっくりと顔を上に向ける。
目が合うと、なぜか広海はフフッと柔らかな微笑みを見せた。