幼馴染みの期限
「……だって、私、今まで誕生日に彼氏がいたこと無かったんだよ?」


「誕生日どころか、ずっといないだろ」


「……っ、だって、しょうがないでしょ!一緒にいたかった人は、ずっと『幼馴染み』 で『彼氏』じゃなかったんだもん」



「……だからお望み通り、誕生日も他の日も、ずっと『幼馴染み』が一緒にいてやっただろーが」



……ほら。


本気で言ってるのに、さらりさらりとかわされて、からかわれて……完全にいつもの『幼馴染み』のパターンになっちゃってる。



「だって、ずっと『こいつとだけは恋に落ちる事はない』って言ってたくせに!」


「それは、お前だって言ってただろ。そっくりそのまま返してやるよ」


「だって、だって!『女として見れない』とか、『胸回り育てて女として出直してこい』とか言われ続けてたから……本当に私の事好きなの?って疑いたくもなるよ。今だって、これって本当は夢なんじゃないの?って……やっぱり、私ばっかりが好きなんじゃないの?って……思っちゃうでしょ」



ベッドの上で正座をしたまま、膝の上に置いていた両手をぎゅっと握りしめた。そして、さっき告白をしたのと同じくらいに、ありったけの勇気をふり絞って言った。



「……だから、私みたいに、言葉で『好き』って言ってよ。ちゃんと広海の口から聞きたいの」



握りしめた両手が震える。

きっと、顔は真っ赤になっているはずだ。


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