幼馴染みの期限
ーー 大和くんと飲んでたのに、来てくれたの……嬉しかったよ。


ーー 才加を迎えに来た大和くんに引っ張られて来ただけだったとしても、ね。


ーー でもね、ちゃんと私の酔いがマシになるまで待っててくれたのが嬉しかったんだ。


ぽつりぽつりと、独り言のように言葉を紡ぎながら思う。


……そうだ。酔いが醒めた訳じゃない。ちょっとだけマシになっただけで、私は今、確実にまだ酔っている。


だから、火が吹き出してるんじゃないかってくらいに顔がカアッと熱くなってるのも、全力で走った後みたいに心臓がドクドクと鳴って痛いくらいに感じるのも、みんなみんな酔っているせいだ。


だから、普段伝えたいけど恥ずかしくて伝えられない事だって、全部言えちゃうんだから。……言っちゃうんだからね。



「……あー、分かった分かった」


ぶつぶつと、もはや呪文のようになり始めた言葉を遮るように、広海は私の頭を軽く抱き締めてポンポンと頭を撫でてくれた。


さすがにしつこかった?そう思って頭を上げようとしたら、「……見んな」と言われて頭を押さえられてしまった。


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