幼馴染みの期限
受け身を取ろうとしたけれど、両手はがっちりとスマホを握りしめてしまっている。とっさにスマホを手放すという判断ができなかった。
……落ちるっ!
多少の痛みを覚悟して目を瞑った私の耳元で「……っ、危ねぇ」と広海の声がしたかと思うと、落ちかけていた身体がピタッと止まった。
そのままポスン、と背中に柔らかなベッドの感触を感じて、ようやく広海に助けてもらったのだと気がついた。
あぁ……びっくりした。
「ありがと」と言おうとして目を開けたら、すぐ間近に広海の顔があった。
何回か抱き締められたことはあるけど、ここまで広海と隙間なくくっついたことは無かった。
落ちそうだった私を庇うように、片方の腕は頭を抱き抱えるようにして、もう一方の腕は腰に回されている。
下のほうは……と慌てて視線を移すと、『街コン』だから!と張り切って着たニットワンピの裾が捲れて……
言葉では現せないほど、恥ずかしい状態になっていた。
あり得ないほど密着した身体に、心臓はドキドキと音を立てて鳴り出す。
うっ……うわぁぁぁぁぁぁ!!
あまりの近さに、顔から火を吹いちゃうんじゃないの?ってくらいに熱くなっているのが自分でもはっきりと分かった。
動揺しまくる私に対して、広海は相変わらず無表情だった。
けど……何となく頬に赤みが差しているようにも見える。