不器用な彼が隠した2文字
どこ行きたい?なんて聞いたものの、行く場所は決まっていたみたいだ。
迷いなく電車に乗る朝比奈先輩に、
もし私がすぐに行きたいところを答えちゃったらどうするつもりだったんだろう、なんて思った。
早めの夜ご飯にいつもより少し高そうなお店でハンバーグを食べて、ビルの外に出る。
ハンバーグは、朝比奈先輩が奢ってくれた。
外は日が短いせいでもう暗くなっていて、冷たい風が吹いている。
「観覧車、乗る?」
夜景の中でひときわキラキラしている観覧車を指す朝比奈先輩に、思いっきり頷いた。
夜の観覧車って、実は憧れだったりして。