フテキな片想い


それは息を吐くみたいな自然な流れで、つばさんの口先から零れた。


「つばさんの好きな人って真央だったんですか?」


突然の衝撃告白にギュッと心臓を鷲掴みされたような気がした。


何でこのタイミングで?と疑問に思った所で、「美雨に相談がある」と言われた本当の意味を理解した。


始めからつばさんは、私にその事を告白するつもりだったんだ。


正直、カワイイ洋服を選ぶのなら、私よりも芽衣子の方が、たくさんブランドを知ってそうだし、大好きな先輩のためなら、コーディネートも張り切ってくれそうなのになって思ってた。


___真央が好き


だから私と出掛けようって誘ったんだ。


つばさんが心に秘めた思いを私に告白してくれたのに、少しショックを受けている私がいた。


___つばさんは、真央の事が好きなんだ。


「ほら、児玉って不愛想だし、男子校だし、無口だし、近くにいる女の子って言えば、一緒に暮らしてる美雨くらいしかいないし、同い年の弟みたいだって前に言ってたよね?」



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