閉じたまぶたの裏側で
夕方になり、私は應汰と一緒にペンションに戻った。

両親と一緒に宿泊客の食事の支度をして、食事が済んだら後片付けをした。


片付けが済むと、両親に應汰を部屋に呼ぶように言われ、4人でビールを飲んだ。

「で…山岸くんだっけ?芙佳とはその…。」

娘をくれと言う男の出現に、父はまだ戸惑っているようだ。

「僕は芙佳とは高校の同級生で、会社の同期でした。高校の時からずっと芙佳が好きでした。芙佳と結婚させて下さい。」

應汰はいつもとは違う落ち着いた口調で、両親に頭を下げた。

「芙佳にそんな人がいたなんて初めて聞いたわねぇ…。」

母はなんだか嬉しそうだ。

「付き合ってたわけじゃないから…。ずっと友達だったんだけど…。」

さすがに両親には多くは語れない。

「芙佳はどうなんだ?好きなのか?」

父が真剣な顔で私を見た。

「うん…應汰と一緒になりたいと思ってる。」

父の顔が、ほんの少し寂しげに見えた。

「まぁ…芙佳も年頃だしな…。いつまでも嫁の貰い手もないんじゃ困るし…お互いがその気ならいいんじゃないか?」

「ありがとうございます!!大事にします!!絶対に芙佳を幸せにします!!」

應汰は更に深く頭を下げた。

「良かったわねぇ、芙佳。こんなに素敵な人のお嫁さんになれるなんて羨ましいわ。」

「お母さんにはお父さんがいるでしょ?」

「そうね。私にはお父さんが一番イイ男よ。」

恥ずかしげもなくのろける母の言葉に、父は照れ臭そうにビールを飲んだ。

「それで今後はどうするんだ?仕事とか住むところとか…。」

「ああ…それなら…。」








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