閉じたまぶたの裏側で
は……?

酔ってるな、こいつ。

今まで散々他の女の子との事を聞かせておいて今更何を言うか。

「意味わかんないんだけど。應汰、ずっと彼女いたじゃん。私、散々聞かされてるんだよ?」

「芙佳に彼氏がいたからだろ。それに俺は自分から女の子に付き合おうって言った事はない。相手から言われたから、芙佳より好きになれたらいいなと思って付き合っただけ。でもやっぱり本気になれなくて、長続きしなかった。」

確かにこいつは無駄に顔がいい。

モテるのは当然だけど、誰と付き合ってもなぜか長続きはしなかった。

「なんなの、それ…。私のせい?」

「芙佳のせい…と言えばそうだけど、相手の事を好きになれなかった俺のせいだろ。」

ああもう、さっぱりわけがわからん。

「そんな話でもしないと、芙佳と一緒にいられる口実なんてないじゃん?」

「口実って…。」

なんかおかしな事になってきたなと思いながら箸で唐揚げをつまむと、應汰はその手を掴んで自分の口に入れてしまった。

「なっ…!自分で食べなよ!」

「芙佳に食べさせてもらいたかったの。」

「甘えるな。」

「芙佳に甘えたいし、甘やかしたい。」

「酔ってるな、應汰…。タチ悪いよ。」

なんの冗談のつもりだ?

「どうすれば芙佳の恋愛対象になれる?」

「だから…應汰は無理。應汰とは想像できないもん。」

「何を?」

「何を?って…。」

現実的に、キスとかセックスとかしたいと思えないと、付き合えないでしょうが。

……とは言いづらいな。


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