閉じたまぶたの裏側で
またひとりぼっちの週末を迎えた。

相変わらず應汰からはなんの連絡もなく、一度も会っていない。

いつもなら用事なんてなくても、休みの日にも会っていたのに、これだけ連絡が途絶えるとやはり避けられているんだろうなと思う。

應汰が気付いているのかはわからないけど、避けられるようなひどい事をしてしまった自覚が私にはある。


うしろめたい。


顔を合わせづらい。


もう以前のように、二人でお酒を飲んで冗談を言い合ったり、笑って思い出話をする事はできないのかな。

應汰のいない仕事の後の時間や休日は、何かを忘れているような気がして、改めて應汰の存在の大きさに気付いてしまう。

なんの変化もないままで、ただ時間だけが過ぎていく。


もしかしたら應汰は、このまま私から離れて行くつもりなのかな。


それを引き留める資格なんて、私にはない。




また月曜の朝が来た。

家を出た時は晴れていたのに、会社に着く頃には空にはグレーの雲が立ち込め、ただでさえ憂鬱な気分に拍車をかける。

制服に着替えてオフィスに足を踏み入れると、いつものように勲がパソコンに向かっていた。


関係を終わらせても、勲とは同じ部署だから毎日顔を合わせる。

何食わぬ顔をして見せてはいるけど、私の中には未練とか後ろめたさとか、一言では言い表せないような感情が渦巻いている。


毎日顔を合わせるのは、正直つらい。



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