おいしい時間 しあわせのカタチ

 社長の後ろにはスーパー小畑を支える各部門の部長とさらに四人の連れがいて、その中でもとくに恐縮した面持ちでつづくふたりの若い男の人に目を留めると、佐希子は、あら、と声を洩らした。


「午前中、スーパーにいらした方じゃありません?」


 いきなり声をかけられて、彼らは戸惑ったように互いの顔を見合わせる。

 しまった、と佐希子は自らの浅慮を悔いた。

 あのとき、佐希子を振り返りはしても、仕事に来ていた彼らに佐希子の顔を覚える余裕はなかったはずだ。

 初対面として振る舞わなくてはいけないところを、不要に気が急いていた。

 しかしそんな佐希子に社長が救いの手を伸べてくれる。


「そうなんだよ、今朝うちに来てくれて――」

「佐野くん?」

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