好きと伝えれば。
「山内さん、何秒だった?」
体育の授業が終わり、グラウンドから下駄箱に戻り靴を履き替えていると、下駄箱に入ってきた矢田くんにそう聞かれた。
「わ、わたし遅いよ」
「いいじゃん。教えてよ」
言いたくないのに、矢田くんの笑顔を見ると言いたくないなんて言えなくなる。
「笑わない?」
「笑わないよ」
矢田くんを見つめると、矢田くんが真剣な目で見つめ返してきてくれた。
「…20秒33」
「…ふっ…」
ぽつりと呟くようにそう言うと、矢田くんの鼻息の音が聞こえて矢田くんを見上げると、矢田くんが口を押さえて笑いをこらえていた。
「…なっ…!笑わないって言った!」
「だって…ふっ…予想以上に…ふふっ…」
「ひどい!」