好きと伝えれば。







「山内さん、何秒だった?」



体育の授業が終わり、グラウンドから下駄箱に戻り靴を履き替えていると、下駄箱に入ってきた矢田くんにそう聞かれた。





「わ、わたし遅いよ」




「いいじゃん。教えてよ」





言いたくないのに、矢田くんの笑顔を見ると言いたくないなんて言えなくなる。




「笑わない?」



「笑わないよ」





矢田くんを見つめると、矢田くんが真剣な目で見つめ返してきてくれた。





「…20秒33」




「…ふっ…」






ぽつりと呟くようにそう言うと、矢田くんの鼻息の音が聞こえて矢田くんを見上げると、矢田くんが口を押さえて笑いをこらえていた。




「…なっ…!笑わないって言った!」




「だって…ふっ…予想以上に…ふふっ…」





「ひどい!」




< 16 / 18 >

この作品をシェア

pagetop