雪のような恋。
この日は午前中全ての時間を先生の話で終わり、
午後から授業を始めた。
終礼が終わり、皆いつもよりも静かに帰って行った。
俺は帰る気になれず、座り込み机に書いた落書きを
ぼーっと眺めていた。
時計の針の音と共に時間が過ぎていく。
今、美雪は何をしているんだろう。
何を思っているんだろう。
あの時、美雪は何を思っていたんだろう。
俺は何をしてやれたんだろう。
美雪のことが頭の中で、馳け廻る。
今更、どうにも出来ないことをずっと考えていた。
これが俺の人生初めての後悔となる。
「帰るか?」
白井は俺を待っていたらしい。
うつ向いて全く気付いていなかった。
白井は悲しそうに少し微笑んでいた。
その優しさにありがとうと礼を言って
ランドセルを背負った。