雪のような恋。
俺が白井と学校で過ごすようになってから、
美雪はイジメられていた。
それまでは俺がいつも一緒にいたからそんなことはなかった。
休み時間に美雪の机の周りに集まった女子は
恋バナをしているのだと、俺はバカにしていたが
本当は美雪の鉛筆や消しゴムを取ったり、ノートを破いたりしていた。
美雪は、恋バナの聞き役に回ってなんていなかった。
よく文房具屋に行くようになったのも、この事を知って理解した。
そして昨日、美雪のランドセルの傷に気がついた
美雪のお母さんが美雪を問い詰めると
泣きながら、すべてを打ち明けたことを、
俺はお母さんから聞いた。
冬休みはいっぱい遊ぶ約束をしていた。
でも遊ぶどころか、美雪の姿を見ることもなかった。
心配でたまらなかったが、
子供ながらに罪悪感と気まずさで、一度もインターホンを押すことはできなかった。
この冬休みはずっと家にいた。
年明けの初詣だけ家族で行くことになったが
神様への願い事なんて浮かばなかった。
ただ、気付いてやれなかった自分を責めた。