双姫 Ⅱ


『知ってるならなんで…。』


この場所が直ぐにバレるのは分かる筈。
それなのに黒男はアイツに言わなかった。


「お前が類の女なら逃がす。」


『類の女なら…?』


黒男が私に近付き、フードを取った。


『…え?……る…い…??』


男の顔は類に似ていた。
綺麗な水色の瞳、違うのは髪が黒って事だけ。


「俺の名前は翠(すい)類は俺の実の弟だ。」


翠は類と同じ様に笑った。


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