双姫 Ⅱ
「ここが見つかる?
それはありえません。ここは地下です。」
『私の言葉信じられないのであれば
それで構いません。
ですが、痛い目に遭いたくなければ
早々に解放した方が宜しいかと。』
「貴女を手放すと思いますか?
ここで静かに暮らすんですよ…ずっと。」
そう言って男は嬉しそうに部屋を出て行った。
『……馬鹿な男ね。』
『神崎組』を知らずに歯向かうなんて。
あの男がこれから
どうなるのかが簡単に想像出来る。
「とんだ勘違い野郎に惚れられたもんだな?
『神崎組』の事も知らないで、
その娘を誘拐して監禁とはな。」
『笑ってないで外しなさいよ。
……え?アンタは『神崎組』知ってるの?』
「こんな仕事してんだ。
知らない訳が無いだろ?世界一の組をさ。」
当たり前だと言う様に黒男は笑っていた。