双姫 Ⅱ


「ここが見つかる?
それはありえません。ここは地下です。」


『私の言葉信じられないのであれば
それで構いません。

ですが、痛い目に遭いたくなければ
早々に解放した方が宜しいかと。』


「貴女を手放すと思いますか?
ここで静かに暮らすんですよ…ずっと。」


そう言って男は嬉しそうに部屋を出て行った。


『……馬鹿な男ね。』


『神崎組』を知らずに歯向かうなんて。


あの男がこれから
どうなるのかが簡単に想像出来る。


「とんだ勘違い野郎に惚れられたもんだな?

『神崎組』の事も知らないで、
その娘を誘拐して監禁とはな。」


『笑ってないで外しなさいよ。
……え?アンタは『神崎組』知ってるの?』


「こんな仕事してんだ。
知らない訳が無いだろ?世界一の組をさ。」


当たり前だと言う様に黒男は笑っていた。


< 297 / 448 >

この作品をシェア

pagetop