双姫 Ⅱ


「妹…?」


私の言う言葉が分からないのか戸惑っている。


『返せよ…。
お前らがアイツを返せって言うなら妹を返せッ!』


胸が痛い。
ズキズキと心臓がどうにかなりそうだ。


「朱音さん!?落ち着いて下さいッ!!」


私の異変に気付いたのか
李樹が慌てて肩を掴む。


『し……える…を……かえ…せ…ッ!』


周りが歪んで見えたと感じた瞬間、
私の視界は暗転した。


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