双姫 Ⅱ

小さな命




『じゃあ、おばあちゃんになるね!
初対面でもうおばあちゃんとか(笑)』


「「え…?」」


私の言葉に
女の人と奈緒珠さんが目を丸くしてる。


『私のお腹に赤ちゃんが居るんだ…。』


愛しい人との子供が。


『ずっと捨てられたと思ってた。
その私がちゃんと愛せるか不安だった…。

…お母さん、私の人生最悪だったんだよ。

もう死んじゃいたかった。
でも、ここに居る皆に出会って生きたいって
蒼空の分まで生きなきゃって思えた。

私、凄く幸せなんだ!!』


ねぇ、蒼空見てる?
お母さん…私達を愛してくれてた。

あんなに恨んでたのに。
今はとても穏やかな気持ち…。


蒼空がこの場に居たらなんて言うかな。

怒るかな?それとも喜ぶ??


肌寒い風が一瞬だけ暖かく感じた。


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