奇聞録(冬)二巡目
冬の雪山にある別荘で、暖炉に火を入れた。
一年ぶりだ。
火をいれてしばらくすると、
ドスンと何かが蒔きに落ちてきた。
炭が散らばって危ないが、赤い布地が見えた。
慌てて近付くと、赤い服を着た白骨遺体が薪の上に転がっていた。
暖炉の煙が逆流するので、煙突を見てみると、
大きな布袋が詰まっていた。
必死に重い袋を引っ張り上げると
袋の中からは、靴下を被せてある小さな頭蓋骨が沢山出てきた。
夢も希望も無い物を、
見てしまった。