私は先輩の浮気相手 番外編。
棚にアルバムを戻すと、コーヒーを飲みに、リビングに戻る。
「あれ、しゅう君。
怪我あるん?」
俺は首筋の怪我を思い出した。
辛くて。
苦しかった、あの思い出の原因だ。
「...そういぁ。
そんな傷忘れてたぜ」
軽く笑い、なつみに誤魔化した。
「なぁ、なつみ?」
俺はカノジョを呼びかけると「ん?」と振り返った。
未だに俺のことが好きだ、と言う。
「ちょっと散歩しようぜ」
「ええでっ」
嬉しそうに着いてきたカノジョに、少しだけ罪悪感を抱きながら家を出た――。