緑の家
父が足を踏み入れたとき、突然ダニエルがアーサーとオーギーの名を叫んだ。虫嫌いのダニエルがゴキブリでも見つけたのかもしれない。


父を含めた3人はキッチンへ急いだ。


「これ、これを見て」


ダニエルは開け放した戸棚の引き出しをしきりに示した。


「あっ!」


ほとんど同時に兄弟は声を出した。


「ママの字だ。だよね!?」


アーサーの問いにうなづくダニエル。引き出しから出てきたのは、新聞紙にくるまれた包み紙と封筒。キッチン用具のなかに隠されていた。


「もしかしておやつ!?」


「そうよオーギー、ママは約束を守ったのよ」


ダニエルが封を切る。カードにはこう書いてあった。


“いつでもお菓子が美味しいように、いつでも私はそばにいる”

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