wish
え?


今、なんて言ったの?


辞める…?



「なんで!?」


声を荒げて友香は椅子から勢い良く立ち上がった。


「なんで、って…

だから、成績下がってきてるし、友香も3年になるんだから、そろそろ将来のこと考えないと。

進学、するんでしょ?」


前に配られた進路の紙のことを思い出しながら母が言った。

友香は下唇をかるく噛み締める。

結局あのとき、両親へも学校へも差し障りがないようにと、

悩んだ末に1番好きな教科である英語を勉強できる大学名を1つ書いたのだ。



本当は、歌手になりたい。

無謀かもしれないけど、それが私の夢だから。



だが、それを両親にはまだ話せていない。


「お父さんも、そのほうがいいだろうって言ってたのよ?」


母が宥めるように友香に声をかける。

友香はそれを聞き流すように声を出した。

「お母さん、私ね…」

「何?」




「将来歌手になりたいの」


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